望月峯太郎『座敷女』が怖い…一人暮らしのあなたにオススメの恐怖漫画
望月峯太郎の傑作『座敷女』
『ドラゴンヘッド』や『バタアシ金魚』、『鮫肌男と桃尻女』などで知られる漫画家・望月峯太郎(最近は望月ミネタロウ表記)。
彼の初期の傑作が『座敷女』だ。
全一巻。
引き伸ばしも中だるみもなく、バシッと終わる。世に恐怖漫画はたくさんあるが、その中でも屈指の、本当に心の底から怖い漫画だと思う。
『座敷女』の怖さ
『座敷女』は怖い。もう本当に怖い。
描写がグロいとかいうことではなく、ストーリーが怖い。あまり詳しいことは説明したくないが、都市伝説的な怖さ。
Wikipediaのあらすじだけ引用する。
あらすじ
大学生の森ひろしは真夜中に隣部屋のドアがしつこくノックされていることに気づく。自分の部屋のドアを開け覗いてみると、そこにはロングヘアにロングコートの大女が立っていた。後日、その大女はひろしの部屋を訪れる。電話を貸してくれと頼まれたひろしは彼女を玄関に入れてしまう。 その日を境にひろしは「サチコ」と名乗るその大女に付きまとわれる。サチコとは何者なのか?目的は何なのか?サチコの異常な行動は次第にエスカレートしていき、やがてはひろしの周囲の人々をも巻き込んでいく。
座敷女 - Wikipedia
一度読んでしまうと頭から離れてくれなくて、しばらくずっと怖い。ふと夜中に思い出してしまってまた怖くなってしまう、そんな作品。
オチは不完全燃焼に感じる人もいるかもしれないが、座敷女の得体の知れなさが際立つ素晴らしい結末だと思う。
ひとり暮らしのあなたに読んでもらいたい
誰が読んでも恐怖を感じてもらえる作品だと思うけど、特に読んでほしいのは、主人公のひろしと同じ境遇の人、つまり、一人暮らしの男子大学生。ぜひ読んでみてほしい。本当に怖いから。
ちなみに、私がこの『座敷女』をはじめて読んだのは高校生のとき。そのときも怖いなあと思ったけど、その後、大学に進学して一人暮らしを始めて、夜中にひとりで読む『座敷女』は格別の怖さだった。ストーリーを知ってても怖かった。
読み終わった瞬間に新聞の勧誘かなにかのチャイムが鳴って、心臓が止まるかと思ったのも今ではいい思い出。
「究極の恐怖」とは何か?
同じく望月峯太郎が描く「ドラゴンヘッド」の最終巻(第10巻)にこんなセリフがある。
人間の頭に潜む破壊的な想像……
イメージ上の怪物……
内なる幽霊……
無意識がつくり出す恐怖の世界それらの意識の集約こそが「究極の恐怖」なのだ
ドラゴンヘッド第10巻 (Amazon)
『座敷女』を読んで感じる恐怖は、まさにそんな恐怖だ。
リアルにこんなヤツに出会ったら、どうなってしまうだろう?
考えれば考えるほど、頭のなかで恐怖が増していく感じ。考えなければいいのに、一度読んでしまうと、「何言ってんの?」という座敷女の顔を忘れることができない。
「究極の恐怖」を、ぜひ味わってほしい。