「にわかファン」は「お祭りファン」と「トーナメントファン」に大別できる
ワールドカップ!
ワールドカップといえば「にわかサッカーファン」。ということで、今回は「にわかファン」について書きたい。
「にわかファン」、特にスポーツ関係の「にわかファン」は、
- お祭りファン
- トーナメントファン
の2種類に大別できるのではないかという話。
前置き
最初に書いておくと、私は自分が「にわかサッカーファン」であると自覚している。
日本代表のユニフォームを着てスポーツバーで騒ぐ、みたいなことはしないし、急に浅いサッカー論を語りだしたりもしないが、選手も大して知らないのにワールドカップの試合はテレビで見る。
「コアなサッカーファン」からすると「Jリーグは応援しないくせにワールドカップのときだけ盛り上がりやがって」と思われるような存在だろう。
にわかファンとは
実用日本語表現辞典では「にわかファン」は以下のように説明されている。
それまでファンでも何でもなかったのに突然ファンだと公言するようになった人、あるいは、巷で大いに話題となっている人物などについて臨時のファンとなり、世間の盛り上がりに乗じて振舞う人などを指す語。
にわかファンとは - 日本語表現辞典 Weblio辞書
私は、
- 突然ファンだと公言するようになった人 = 狭義の「にわかファン」
- 臨時のファン = 広義の「にわかファン」
というイメージを持っている。
「サッカー最高!」と突然言い出すような人は明らかに「にわかファン」だし、ファンだと公言はしなくともワールドカップのときだけ臨時でサッカーを見るような人も「にわかファン」といえるだろう。私は後者。
はじめに書いたように、「にわかファン」、特にスポーツ関係の「にわかファン」は、
- お祭りファン
- トーナメントファン
の2種類に大別できると思う。
それぞれについて書いていこう。
お祭りファン
目立ちやすい「にわかファン」が「お祭りファン」。ただのお祭り好きである。
完全な偏見を書くと、ワールドカップの日本戦のたびに渋谷に集まるような人達はだいたい「お祭りファン」だ。
たぶん多くの人が言及しているだろうが、彼らにとってはハロウィンもワールドカップも同じ。日本代表のユニフォームを着て顔に日の丸のペイントをほどこすのはゾンビの仮装と一緒だ。
偏見ついでに書いておくと、「お祭りファン」には「突然ファンだと公言するようになった人」が多い。「サッカー最高!日本がんばれ!」と叫ぶことで自らの気持ちを高めてお祭りをさらに楽しんでいるのである。
トーナメントファン
「お祭りファン」ではないタイプの「にわかファン」が「トーナメントファン」だ。
トーナメントは試合の結果が(広い意味での)勝負の結果と直結している。負けたらそこで終わり、という分かりやすさがある。そういう試合が好きな人たちのことをここでは「トーナメントファン」と呼ぶ。
便宜上「トーナメントファン」としているが、厳密には「(トーナメント戦に限らず)命運を決する試合が好きな人」のことだ。
トーナメント戦でなくても少数のチームによる予選リーグ戦も彼らの好物。一試合一試合が「突破 or 敗退」の結果に大きく寄与しているためだ。「負けたら予選敗退」「勝ちか引き分けなら予選突破」みたいな試合は見逃せない。
だから多分「トーナメントファン」はPK戦が大好きだ。あれほど分かりやすいものはない。
地方大会から続く究極のトーナメント戦といえる高校野球(甲子園)が好きなのは言うまでもないし、ドラゴンボールの天下一武道会もスラムダンクも好きだ。きっと。
にわかサッカーファンはなぜJリーグを見ないのか
「にわかサッカーファン」を「お祭りファン」あるいは「トーナメントファン」と捉えると、彼らがJリーグに興味を持たないのも当然だといえる。
彼らはにわかにサッカーのファンになったわけではなく、もともと「お祭り」や「トーナメント」が好きなだけなのだ。
「お祭りファン」にとって毎週やってるJリーグの試合はお祭りではない。そんな試合に「お祭りファン」の血は騒がない。
「トーナメントファン」にとって多数のチームによる総当たりのリーグ戦はつまらない。途中の試合に勝とうが負けようが、結末に寄与する割合は小さいからだ。そんな試合を「トーナメントファン」は見ない。
真のファンへの感謝と敬意を忘れてはいけない
サッカー大好きというわけではないのにワールドカップはついつい見ちゃうな、という理由を考えてたら「結局、自分はトーナメント戦(のような分かりやすい勝負)が好きなんだ」という結論に至った。
「コアなサッカーファン」からするとイライラする存在なのかもしれないが、「お祭りファン」や「トーナメントファン」がいつの間にか本当のサッカーファンになることもあるので、どうか広い心で見守ってほしい。
一方、「お祭りファン」や「トーナメントファン」は「コアなサッカーファン」への感謝と敬意を決して忘れてはいけない。
お祭りやトーナメントを楽しめているのは「コアなサッカーファン」の皆さんのおかげなのだ。