OCTOPATH TRAVELERが面白い。スーファミ世代は黙ってプレイすべし
スクウェア・エニックスのSwitch用RPG『OCTOPATH TRAVELER』をプレイした。海の日の三連休を利用して一気にプレイして最初に選んだ主人公のエンディングが流れるところまでいった。
他の7人は3章を終わらせたところまででクリア後の要素までは行き着いていないがとてもおもしろかった。感想を書きたい。
一気にプレイした勢いで書いているのでそのうち書き直すかもしれない。
ストーリーのネタバレは書いていない。
オクトパストラベラーとは
『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』は2018年7月13日に発売されたスクウェア・エニックスのSwitch用完全新作RPG。
公式サイトは以下。
「OCTOPUS(タコ)」ではなく「OCTOPATH」。「OCTO」は「8」を意味する接頭辞(オクタゴン=八角形とかと同じ)で「OCTOPATH」は「8本の道」の意味。その名の通り8人の主人公を自由に選べるのが特徴。
どんなゲームかは紹介映像を見てみてほしい。注目はスーパーファミコン時代のRPGを思い起こさせる2Dドット絵風のグラフィック。
オクトパストラベラーはロマサガではない
ロマサガはロック
「8人の主人公を自由に選べる」というと思い出すのがロマサガ。ロマサガ2は違うが、ロマサガ1と3はどちらも8人の主人公から選ぶ形式だった。
スーファミ世代の開発陣はロマサガをリスペクトしてはいるものの、ロマサガに合わせて8人の主人公にしたというわけではないようだ。
髙橋氏:「8人の主人公」という要素については、確かに着想を得た部分もあります。ただ、ゲームの内容については『ロマサガ』を意識していたことはないですね。
宮内氏:僕も意識はしていないですね。『ロマサガ』が先にあったから「8人の主人公」になったのではなく、様々な道筋をたどった結果「8人の主人公」になっているんです。「そういえばこれって『ロマサガ』に似てるね」と後から気付いたくらいでした。
『OCTOPATH TRAVELER』で描かれる“旅”とは―スクエニ・髙橋氏&アクワイア・宮内氏インタビュー【E3 2018】 | インサイド
確かに、オクトパストラベラーはロマサガではない。
ロマサガといえば最近印象的だったのがラジオ『三四郎のオールナイトニッポン0』での三四郎・相田の発言だ。
相田「ロマサガはロック」
『三四郎のオールナイトニッポン0(2018年5月11日)』
この相田の発言に対して相方の小宮も「ロマサガはロックだな」と納得していた。自分も三四郎の二人とだいたい同年代なのでよく分かる。
ロマサガはロックである。
自分にとってロマサガの何がロックなのかというと、「自由」とそれに伴う「不安」だ。ロマサガといえば「自由なRPG」であるが、自由すぎるあまりに不安になってくる。
こんな街に来ちゃったけどいいのだろうか、こんなイベント始まっちゃったけど大丈夫なのだろうか、という不安。
自由を売りにするゲームは多いが、不安になってくるようなゲームはあまりない。その不安すらもクセになるいびつでロックなゲーム。それがロマサガだ。
オクトパストラベラーはロックではない
オクトパストラベラーに不安は一切ない。
目的の街はもちろん、その中で行くべき場所も話すべき相手もマップ上に示されている。さらに推奨レベルまで提示されているという親切さ。至れり尽くせり。ユーザーに対するOMOTENASHIが感じられる。
もうちょっと迷わせてくれよ、悩ませてくれよとも思うが、2018年の新作RPGとしてはこれくらいの親切さが無いとダメなのだろう。
町やダンジョンの配置自体も非常にシステマチックになっている。舞台となる世界が8つの地方に分かれていて、しばらくプレイしているとそれぞれの地方が同じ構成になっていることに気づく。一つの地方を進めると、他の地方に行ったときにこの先に町とダンジョンがあるんだな、という見当がつく。
迷うことはほぼない。
オクトパストラベラーにロマサガのようなプレイヤーを不安にさせるいびつさはなく、洗練されている。オクトパストラベラーはロックではない。だからオクトパストラベラーはロマサガではない。
が、ロマサガ感はしっかりある
オクトパストラベラーはロマサガではない。
が、ロマサガ感はしっかりある。ロマサガのエッセンスを感じることができる。最近よく聞く言葉でいえば精神的続編(spiritual successor)と表現して差し支えないと思う。
2018年のRPGとして洗練された結果「不安」は取り除かれているが「自由」がしっかり残っているからだ。
上に書いたようにメインストーリーに自由はないが、行動は自由にあふれている。
次はここですよ、という指示を無視してどこに行ってもいい。この先は危険度レベル45というような表示もされるが、それも無視してガンガン進んでいくことが可能。当然まともに敵と戦ったら一瞬で全滅するけど。
メインストーリーの行き先以外の場所に行っても特に何も起こらないが、本来であればもっと後に行くようなところをウロウロすることができる。買い物もできるし宝箱も開けられる。これが楽しい。
レベル20くらいで推奨レベル45の道をザコ敵から逃げ回りながら駆け抜けて遠くの街やダンジョンに潜り込む楽しさ。そして命からがら辿り着いた街やダンジョンで3ランクぐらい上の装備を手に入れる喜び。最高。
メインストーリーほったらかしで遠くの街を巡っているときが一番楽しかった。
こういう「自由」な楽しさはまさにロマサガで味わっていた楽しさだ。
オクトパストラベラーのここが好きだ!
なんか観念的な話になってしまったのでもうちょっと具体的なことも書こう。
戦闘が面白い
まず良かったのが戦闘。
オクトパストラベラーの戦闘は易しくない。ボタンを連打していれば終わるような戦闘ではない。特に中盤からは敵が強めの全体攻撃をガンガンしてくるので気を抜くとすぐに全滅する。
詳しくは公式サイトや紹介映像を見てほしいが、
- 敵の弱点を規定回数攻撃するとブレイクしてその敵が弱体化、次のターンまで行動不能になる
- 味方はターン毎にブーストポイントがたまり、それを使って複数回攻撃したり魔法や特技を強化したりできる
というのが基本的な戦闘システム。
ブーストポイントを使って複数回攻撃して速攻でブレイクさせるか、通常攻撃でブレイクさせて弱体化したところでブーストポイントを使って強力な攻撃を叩き込むか、どちらにブーストポイントを使うかというのが悩みどころであり戦略の肝。
現ターンと次ターンの行動順、ブレイクするまでの残り回数が表示されているので、どこでブレイクさせるかをパズル的に考える楽しさがある。
防御コマンドや一部の特技では行動順を操作することもできる。それらを使いこなして敵に反撃させる隙を与えることなくうまいこと戦闘が進められると快感。
街の人(NPC)との会話が楽しい
街の人(NPC)との会話も良かった。
上に書いたようにメインストーリーは「ここへ行け」「こいつと話せ」といちいち指示されるので作業感があるが、サブクエストは古き良きRPGの趣がある。
サブクエストは街の人(NPC)の様々な悩みを解決するもので基本的にはお使い。
しかし、オクトパストラベラーの特徴の一つであるフィールドコマンドによって、人を連れて行く、情報を得る、アイテムを得る、倒すという豊富なバリエーションがありマンネリ感・作業感はあまりない。
終盤の町のサブクエストの解決策が序盤の町にあったりして「そういえばこんなこと言ってたヤツがいたな」と記憶がつながる瞬間が最高に気持ちいい。
音楽が素敵
そして音楽。
最近のゲームはグラフィックの情報量が多いぶんBGMは環境音楽のような雰囲気のものが多いが、オクトパストラベラーの音楽は「これぞ王道RPG!」というような趣。グッドメロディな曲が多い。
サウンドトラックが7月16日23:00時点でまさかの売り切れ。入荷待ちになっている。みなさんこういうの好きなんですね。
ちなみに自分が一番好きなのはセントブリッジの曲です。
そのほかの感想・要望
基本的には大満足なオクトパストラベラーだが、いくつか不満・要望がある。箇条書きで。
- NPCのセリフのバリエーションを増やしてほしかった。
- 最初のイベントが終わったあとで両親や親友に話しかけたらいきなり他人行儀なセリフを返されたのはちょっと悲しかった。
- 主人公に近い人ぐらいは専用のセリフを用意してほしかった。
- テリオン(盗賊)しか開けられない宝箱が邪魔くさい。
- 宝箱があったら開けたいと思うのは全人類の願いだと思うが、主人公の一人であるテリオン(盗賊)がパーティーにいないと開けられない宝箱がある。
- そのためにパーティーメンバーが一人固定されてしまうのはいただけない。
- せめてセーブポイントで仲間の入れ替えができるようにしてほしかった。
- 図鑑要素がほしかった。
- モンスターもアイテムも種類が豊富なのに図鑑的な要素がない。
- 自分は収集欲があまりないので図鑑が無くてもそこまでマイナスではないが、集めるのが好きな人のモチベーションに関わってきそう。
- 最初に選んだ主人公をパーティーから外せるようにしてほしかった。
- 最初に選んだ主人公でクリアしたら外せるようになるけど、そもそも最初から固定にしなくても良かったのでは?
まとめ
ということで、オクトパストラベラーは非常に素晴らしいゲームだった。
2Dドット絵風グラフィックが琴線に触れた人には楽しめる内容だと思う。あのグラフィックが受け入れられない人は楽しめないかもしれないが、そういう人はこのゲームのターゲットではないのだろう。
スーファミ世代ならきっと刺さる。
ターゲットをちゃんと絞ってそこに刺さる内容をしっかり作り上げたスタッフは偉い。
ピンときたあなたには絶対おすすめです。
ダウンロード版はこちら。
体験版もあり。