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糸井重里の後継者?ほぼ日・永田泰大の名作記事

ほぼ日を運営していた「株式会社 東京糸井重里事務所」が2016年12月1日をもって、「株式会社 ほぼ日」になった。

2016年12月1日から、
「株式会社 東京糸井重里事務所」は、
「株式会社 ほぼ日」になります。
これまでどおり、これまで以上に、
「ほぼ日」は、みんなのものになっていくと、
そんなふうに思っていただけたら幸いです。
「株式会社 ほぼ日」になりました。 - ほぼ日刊イトイ新聞

2015年5月の時点で糸井重里は「東京糸井重里事務所」の上場を目指すと答えており、この社名変更もその流れに沿うものなのかもしれない。

インターネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する東京糸井重里事務所(東京)が、数年内の株式上場を目指していることが分かった。代表取締役の糸井重里氏は取材に応じ、「いろいろなことが試せる『柔らかいIPO(新規株式公開)』をしたい」と独特の表現で上場への意欲を語った。(時事通信)
糸井氏「ほぼ日」上場目指す | 2015/5/5(火) 15:08 - Yahoo!ニュース

注目は「株式会社 ほぼ日」のコーポレートサイトの会社概要に書かれていた取締役の名前である。

取締役 永田泰大
株式会社 ほぼ日|企業情報|会社概要

な、永田泰大!
風のように永田!
ワナ知識が豊富な編集者がついに上場(を目指す)企業の取締役に!

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永田泰大とは何者か?

永田泰大と言われてもピンとこない人が多いと思う。

もともとはゲーム雑誌「週刊ファミ通」の編集者だった人。その後、ほぼ日刊イトイ新聞乗組員(従業員)になり今も活躍されている。

Wikipediaはなかったけど、はてなキーワードがあった。

1968年4月23日生まれ。
週刊ファミ通編集委員を経て、2003年2月、フリーライターとして活動、その後、ほぼ日刊イトイ新聞乗組員に。
別名:風のように永田(風永)、永田ソフト、アオシレンジャー、編集者KN、ワナ知識が豊富な編集者
永田泰大とは - はてなキーワード

ほぼ日には挨拶しにいったらそのまま流れで入社することになったらしい。

モギ:
永田ソフトは前の会社を辞めて
「フリーランスになりました」って
挨拶に来たところを
「まあ、そこに机も余ってるし
座ってたら? 電話もあるし」
なんて言われて座ってそのままよ!
ほぼ日刊イトイ新聞 - ほぼ日ブックス

おそらく、糸井重里が「コイツはぜひウチに入れたい」と考えていたんだと思う。たぶん。きっとそうだ。

糸井重里と伊集院光が永田泰大をべた褒めしているラジオ音源がYouTubeにあった。最初の3分だけでも聞いてみてほしい。

(2017/02/17追記) 残念ながらYouTubeの動画が削除されてしまいました…。

伊集院: 無名だけどゲストに来てほしい。文章がホントに面白い人ですよね。
糸井: うちの今社員なんですよ。…面白いよね。俺もファンだもん。

糸井重里と伊集院光が認めた男、それが永田泰大だ。

永田泰大の名作記事

この人の何がスゴイかというと、伊集院光も熱く語っているように、その魅力的な文章。

僕も糸井重里と同じように、この人のファンだ。ファミ通時代からファンだ。この人の書く文章が本当に好きだ。

名作記事を紹介しようと思ったけど、いざ選ぼうと思ったら、名作がありすぎて困ってしまった。とりあえず今の気分でいくつか選んだ。

失礼インタビュー

開発中止になってしまった64DD版のMOTHER3についての、糸井重里と前任天堂社長・岩田聡へのインタビュー。1997年。内容はほとんどないのに勢いで読まされる。

今読むと、岩田さんの元気そうな感じがなんかイイ。

僕は『ゼルダ』が好きだ。

ゼルダの伝説 時のオカリナのレビュー。レビューというかアツい思い。

この人のレビューを読むとそのゲームをやってみたくなってしまうから困る。

やっぱり、言葉はあふれて本流を持たない。そして何かを好きだと表わすことはとても難しく、とてもとても恥ずかしい。しかし、それらの体裁を顧みず滲み出る強い思いを信じずして何を信じるというのだろう。僕は『ゼルダ』が好きだ。僕は、『ゼルダ』が好きだ。
ファミ通にて、風のように永田(永田泰大)氏が書いたゼルダレビューとポケモン体験記

ファイナルファンタジーXI プレイ日記 ヴァナ・ディール滞在記

伊集院光のラジオでも紹介されていたFF11のプレイ日記。読んでいると自分がプレイした気分になってくる。オンラインゲームという性質上、旅行記のような趣もある。

FF11はやったことないけど、この本を読んで、いいゲームなんだろうなあと思った。

ファイナルファンタジーXI プレイ日記 ヴァナ・ディール滞在記
永田 泰大 みずしな孝之
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オトナ語の謎。

FF11プレイ日記とともに伊集院光のラジオでも紹介されていた、オトナ語の謎。永田の筆はゲーム以外でも冴え渡るぜ!

日夜働く皆さんにぜひ読んでいただきたい。大量にありますが、おしりまでじっくりご笑覧くださいませ。

文庫本にもなっている。

オトナ語の謎。 (新潮文庫)
糸井 重里 ほぼ日刊イトイ新聞
新潮社
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明日に向かって捨てろ!!

モノを捨てられないスチャダラパーのボーズが、断腸の思いでモノを捨てていく連載。

なんだそれ、と思うかもしれないが、これがおもしろい。雑談のおもしろさを十二分に味わえる。この人がまとめる雑談はなぜこんなにおもしろいのだろうか。

「小さいことば」シリーズ

「小さいことば」シリーズは、永田泰大自身の文章ではなく、糸井重里の原稿のことばをまとめたもの。

糸井重里が書いた1年分の原稿のなかから、
心に残る「小さいことば」を厳選し、
1冊の本にまとめる。
それが、「小さいことば」シリーズです。
2007年からスタートし、
毎年1冊ずつ、かたちにしてきました。
ほぼ日刊イトイ新聞 - ボールのようなことば。

単純に並べるだけじゃなく、流れを感じさせるように1冊にパッケージングするのは実はものすごく大変なことだ。編集者としても優秀なんだなあと感じられる。偉そうに言える立場じゃないけど。こういう人のことを本当の意味でのキュレーターと呼ぶのだと思う。

『ボールのようなことば。』は「小さいことば」シリーズの中からさらに厳選して再編集されたベスト盤。

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ふたつめのボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)
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福島第一原子力発電所へ。

ほかとは毛色がまったく違うけど紹介したい。震災後の福島第一原発の視察レポート。

対象がゲームであれ何であれ、真摯な姿勢が伝わってくるのもこの人の文章の特徴だと思う。

福島関連ではこちらも。

その他

キリがねえよ!

最近のは更新されてないみたいだけど、はてなキーワードには昔の連載がまとめられているので、ぜひ読んでみてほしい。

名作がありすぎるのも困ったものだ。取捨選択が難しい。

こういうのは永田さんにまとめてほしいなあ。自薦ベスト盤みたいな。きっとうまいことまとめてくれるはず。

糸井重里の後継者?

どうだろうか、あなたも永田泰大のファンになってしまっただろうか。彼の文章の虜になってしまっただろうか。コンテンツは山ほどあるので、どうぞ貪り読んでいただきたい。

で、話を戻すと、そんな永田泰大さんが「株式会社 ほぼ日」の取締役に就任されたわけです。これはもう、あれ? 糸井重里の後継者は永田さんなのかな?と思ってしまうわけです。

どうなんだろう? 今はほぼ日のコンテンツチームのトップみたいな立場っぽいけど、ゆくゆくは、ほぼ日全体をまとめる立場になるのかな?

どういう立場になっても、しょうもない(←褒め言葉)雑談コンテンツは書き続けていってほしいな。

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