ライブで観るサンシャイン池崎は空前絶後のおもしろさ
2018年はライブに行く年にすると決めたので、お笑いライブにも音楽ライブにもよく行っている。
ライブで観てその凄さに気付いた芸人がいる。
サンシャイン池崎だ。
お笑いライブの魅力
サンシャイン池崎について語るまえに、お笑いライブの魅力をまとめておきたい。
わざわざお笑いのライブを観に行くのには理由がある。
- テレビでは観られないネタ
- ライブでしか味わえないネタ
が観られるからだ。
「芸能人を生で見れる」というミーハー的な楽しさももちろんあるが、ここでは深堀りしない。
テレビでは観られないネタ
芸人がネタを披露するテレビ番組はいくつかあるが、ライブでは「テレビでは観られないネタ」が観られる。
- テレビに出るチャンスがない若手のネタ
- テレビ用の短い尺ではない本来の長さのネタ
- テレビでは扱いにくい時事ネタや下ネタ
どれもライブならではの楽しみといっていいだろう。
ライブでしか味わえないネタ
そこそこのキャリアの芸人の単独ライブなんかはDVD化されるので、「テレビでは観られないネタ」も後からDVDで楽しむことができる。最近はYouTubeで動画が公開されることも多い。
しかし、DVDやYouTubeの映像では100%楽しめない「ライブでしか味わえないネタ」もある。
ライブでしか味わえない演出と言ったほうが正しいかもしれない。
例えば、ロバート秋山とインパルス板倉のトークライブ(2018年8月20日)では、トークライブといいながら最初と最後にコント(というか小芝居)があり、客席を練り歩く二人に入場時に配られたお札をチップとして渡すという演出があった。
この説明だけだと何がなんだか分からないと思うが、あのライブの映像を後から観ても、客席で生で味わった興奮は感じられないだろう。
ライブで観るサンシャイン池崎のネタの凄さ
サンシャイン池崎の話をしよう。
サンシャイン池崎を観たのは、ワタナベエンターテインメントの事務所ライブ『WEL FES』(2018年9月16日)。
それまでサンシャイン池崎のことは勢いだけのうるさいヤツとしか思っていなかったが、そのおもしろさに衝撃を受けた。
まず大前提として、ネタ自体が意外とおもしろい。
意外、と書くと失礼だが、ワードセンスも全体の構成もしっかりしている。『WEL FES』でのネタとは違うがYouTubeの「ワタナベお笑い公式チャンネル」にネタ動画があるので見てみてほしい。
しかし、ライブで度肝を抜かれたのはそのワードセンスやネタの構成ではない。
何か。
声の大きさだ。
ひとりの男が舞台で大声で叫んでいる。ただそれだけでおもしろい。なんでおもしろいのかその理由はよく分からないが、大声で叫んでいる男はおもしろい。
上の動画でも開始20秒くらいですでに客席がクスクスと笑い始めているが、『WEL FES』もまさにそんな感じだった。サンシャイン池崎がどういう芸人なのか、どういうネタをするのか、みんな知っているのに、第一声で笑ってしまう。
サンシャイン池崎の大声には客席をざわつかせるパワーがある。
説明しても伝えられないおもしろさ
お笑いライブの魅力の一つに「ライブでしか味わえない演出」がある、と書いたが、「こういう演出があってね」と事細かに詳しく説明すれば、それがどういうふうにおもしろかったか少しは想像してもらえるだろう。
サンシャイン池崎の大声のおもしろさはいくら説明しても伝えられる気がしない。「声が大きくてすごいんだよ」と言っても「大声の何がおもしろいんだよ、アホか」と返されて終わってしまうに違いない。
「実際に観てみてくれ!」として言えない。
音楽ライブにおけるドラムとサンシャイン池崎の大声
たまに「ライブは初めて」という人と一緒に音楽のライブに行くとビックリされるのがドラム、特にバスドラの低音だ。
バンドのライブでも和太鼓の演奏でもなんでもいいが、ドラムの低音は体全体に響く。鼓膜ではなく腹に感じる。
映像で見るのとはまったく違う迫力がある。
この先VRが普及しても、身体で音を受け止めるあの感覚は視覚と聴覚だけでは再現できないだろう。ゴーグルとヘッドフォンだけではライブを置き換えることはきっとできない。(スーツみたいなのを着れば別だろうが)
サンシャイン池崎の大声も同じ。さすがに腹に響くことはないが、「音は空気の振動なんだ」という当たり前のことに気づかせてくれる。
ドラムもサンシャイン池崎も、ライブで体感して初めてその凄さが理解できるものなのだ。
さいごに
サンシャイン池崎のライブには、テレビやDVD、YouTubeの映像で見ても伝わらない、どこがおもしろいかどれだけ説明しても伝えられない魅力がある。
営業で全国を回っているはずなので、機会があればぜひサンシャイン池崎の大声を体感してほしい。