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ミスチル「深海」の衝撃〜MdN「90年代CDジャケット特集」を読んで

デザイン雑誌MdNの12月号(11/5発売)を読んだ。特集は「CDジャケット90年代狂騒史」。

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90年代のCDジャケットを振り返るMdNの特集

CDジャケット90年代狂騒史。

最近90年代を思い出しがちな自分にジャストミートな企画だ。

早速買って読んだが、非常に面白かった!
また思い出に浸ってしまった。

90年代を象徴するCDジャケット特集としてフィーチャーされていた、

  • 宇多田ヒカル「First Love」
  • Mr.Children「深海」
  • 安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」

が完全に世代ど真ん中。

中でも一番思い出深い作品がミスチルの「深海」。いま「深海」について書いたところで誰も興味ないんじゃないかとも思うが、書きたくなったので書く。

衝撃の問題作「深海」

「深海」は衝撃的だった。ミスチルの作品の中でもいまだに問題作として位置付けられている。

アルバム「深海」はミスチルの中でもかなり異質な作品だ。暗くてダークな曲調、「明日なんて信じるな」などという救いようのないメッセージ、ハードで反社会的なスタンスなどが特徴的で今のミスチルとは真逆である。
このアルバムは当時の桜井さんの"混乱"をそのまま描いており、「深海」作成中は「死にたい」と語るほど追い込まれていたことが知られている。
問題作「深海」の発売も Mr.Childrenが経験した解散危機とは - Excite Bit コネタ(2/4)

「深海」が発売されたのは1996年6月24日。もう20年前。

深海
Mr.Children
トイズファクトリー (1996-06-24)
売り上げランキング: 5,748

同年2月に発売された「名もなき詩」が当時歴代最高の初動週間売上となる約120.8万枚を記録するなど、ミスチル人気は絶頂を迎えていた。

そんななか発売された「深海」は異質の作品だった。

全体に漂う重苦しい雰囲気。
暗い曲調。
シニカルで厭世的な歌詞。

「イノセント・ワールド」や「Tomorrow never knows」のポップさはまるでない。

いま聴くとちょっと暗めのコンセプト・アルバムぐらいの印象かも知れないが、当時のミスチルがいきなりこんなアルバムを送り出してきたことが衝撃だった。

中学生にも衝撃

当時、自分は中学生。

前作の「Atomic Heart」はずっと聴いていて、シングル「Tomorrow never knows」や「名もなき詩」、「花 -Mémento-Mori-」も大好きだった。

当然「深海」も発売してすぐに買った。そして衝撃を受けた。

まずコンセプト・アルバムという概念を知らなかったので、「曲と曲がつながってる!すげえ!」と興奮した。単純に。

暗い曲調や歌詞も初めての感触だった。最後の曲、「深海」の歌詞とか、こんなこと歌っていいの?と思った。

失くす物など何もない
とは言え我が身は可愛くて
空虚な樹海を彷徨うから
今じゃ死にゆくことにさえ憧れるのさ

死にゆくことに憧れちゃっていいの?ダメダメ、ダメでしょ!と思った。

ただ、そういう暗さも含めてかっこよかった。すぐ好きになった。中二病的な感性をくすぐられたのかもしれない。

発売が6月末だったから夏休み中ずっと聴いてた。たぶん、人格形成に大きな影響を与えられたんじゃないかなあ…。この時期に深海を聴いてなかったらもっと素直な人間になれていたかもしれない。

深海に佇む椅子

そんな異質さはジャケットにも表れていた。

深海

深海に置かれた一脚の椅子。アルバムの重いトーンをそのまま映し出したような、でも美しい写真。

MdNではアートディレクターを務めた信藤三雄氏のインタビューが掲載されている。

いままで知らなかったけど、信藤三雄氏はものすごい数のジャケットを手がけられている方。Wikipediaを見て驚いてほしい。

なぜ椅子だったのか?

デザイン・コンセプトのきっかけは「アンディ・ウォーホルの『電気椅子』という作品が最近気になっている」という桜井の一言だったという。「深海」というタイトルと「電気椅子」というワードを信藤氏が結びつけ、あのデザインが生まれた。

あの椅子はどのようにして撮られたか?

あの椅子の撮影方法についても語られている。

最初は実際に海の底に椅子を置いて撮ろうとしたらしい。素人考えでも「そりゃ大変だろう」と思うが、やっぱり難しかったようで、結局は地面が土になっているスタジオにセットを作って撮ったとのこと。

ザラザラで独特な匂いの歌詞カード

そして忘れてはいけないのが歌詞カード。「歌詞カード」っていうワードがすごく時代を感じさせるがそれは置いといて。

インタビューの中で信藤氏も言及していたが、「深海」の歌詞カードはザラザラした紙で出来ていた。アナログ録音された「深海」の音像と同じようにザラザラした手触り。さらに、印刷のせいなのか紙の素材のせいなのか分からないけど、他のCDの歌詞カードとはちがう独特の匂いがしていた。

ザラザラの手触りも、独特の匂いもいまだに鮮明に覚えている。

すべてが「深海」だった

音楽はもちろん、ジャケットの写真、歌詞カードの手触り、匂い、全部ひっくるめて「深海」という作品だった。すべてが「深海」という作品を形作っていた。

そんな作品を思春期にぶつけられたら、そりゃ忘れられないよね。いまだに「深海」がミスチルの作品の中で一番好きだ。他の作品も好きだけど、「深海」は特別。

「90年代CDジャケット特集」は他の記事も必見

「深海」だけで長々と書いてしまったが、MdN12月号「CDジャケット90年代狂騒史」特集は他にも読み応えのある記事が満載だった。

  • 年別オリコントップ10で振り返るCDジャケット100枚+α
  • CDジャケットを変革したアートディレクター / 信藤三雄インタビュー
  • CDジャケットを変革したアートディレクター / 宮師雄一インタビュー
  • 90年代のロッキング・オン・ジャパン / 山崎洋一郎インタビュー

懐古主義の振り返りではなく、これからに目を向けた記事も良かった。

  • これからのCDパッケージを考える1/複数形態のCDパッケージ
  • これからのCDパッケージを考える2/乃木坂46&欅坂46から見るSNS時代のジャケ
  • これからのCDパッケージを考える3/通常盤だけの宇多田ヒカル『Fantôme』

ぜひ目を通してみてほしい。

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