ナンバーガール『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』は最高のライブ盤
Zazen Boysについて書いたらナンバーガールについても書きたくなった。
Zazen Boysの複雑に入り組んだ曲も素晴らしいが、ナンバーガールのシンプルな衝動には何歳になっても抗えない魅力がある。
そんなナンバーガールの『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』は最高のライブ盤だ、という話をさせてほしい。
サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態
『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』は向井秀徳率いるナンバーガールが2003年に発売したライブ・アルバム。
EMIミュージック・ジャパン (2003-01-29)
売り上げランキング: 82,765
ナンバーガールのラストライブとなった、2002年11月30日に札幌ペニーレーン24で行われたライブが収録されている。
音もいいし、なによりラストライブの興奮と緊張がそのまま封じ込められている。
中でも特に好きなのが「鉄風鋭くなって」と「OMOIDE IN MY HEAD」。
鉄風鋭くなって
2曲目に収録されている「鉄風鋭くなって」。
『SAPPUKEI』(2000年)と『NUM-HEAVYMETALLIC』(2002年)の間に発売されたシングル曲で、オリジナルアルバムには収録されていない名曲。
PVはこちら。
「発狂した飼い猫を 川へ捨てに行って」から始まる歌詞の意味はまったく分からないが、「鉄風鋭くなって」という曲名はこの曲の音を的確に言い表していると思う。
中尾憲太郎のシンプルで力強いピッキング。
(ライブ盤だとあんまり聴こえないけど)アヒトイナザワのハイハットの金属音。
田渕ひさ子の和のテイストを感じさせるリフ。
ベースもドラムもギターも、そして向井の歌声も、「鉄風」が「鋭くなって」いる感じがする。
『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』の「鉄風鋭くなって」では、特に田渕ひさ子のギターが目立っていて、6本の狂ったハガネの振動を存分に堪能できる。ステキ。
OMOIDE IN MY HEAD
ラストライブのハイライトにして『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』のハイライトは間違いなくこの曲だ。
OMOIDE IN MY HEAD。
インディーズ時代の1stアルバム『SCHOOL GIRL BYE BYE』の1曲目に収録された、ナンバーガールの原点といってもいい曲。
CDでは前の曲「日常に生きる少女」の最後から向井のMCが収録されている。
「1995年夏から、地力を信じてやってきたこのナンバーガールの歴史を、今ここに終了する。福岡市博多区からやって参りましたナンバーガールです。ドラムス、アヒトイナザワ」
このMCだけでジーンとくるが、この後に始まるイントロがいい。本当にいい。
向井のギターが高まりに高まった瞬間に発せられる、観客たちの「エイ!」なのか「オイ!」なのか分からない叫び。
上のYouTube動画だと4:03、CD音源だと1:20。
オーディエンスの肉体が…いや…細胞が瞬間的に反応した。そんな感じだった…。
ラストライブの最後の最後で最高の盛り上がり。ナンバーガールというバンドのエンドロールを見ているかのような名演。
必聴
SpotifyでもApple MusicでもGoogle Play Musicでも配信されてるので、ぜひ聴いてみてほしい。
EMIミュージック・ジャパン (2003-01-29)
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ナンバーガールの入門編としても最適だと思う。