outoutput

さらば青春の光・森田哲矢はゲスいけど(たぶん)天才

さらば青春の光のライブを2日続けて観た。

ハライチ、相席スタートとの新ネタライブ『デルタホース』(2018年8月31日)と、さらば青春の光の単独ライブ『真っ二つ』(2018年9月1日)だ。

もともと好きなコンビだったのだが、ライブを観てさらに好きになってしまった。森田哲矢のネタづくりの才能がすごい!という話を書きたい。

スポンサーリンク

ゴシップ好きなゲスい男、森田哲矢

森田といえばそのゲスい顔つきである。いきなり外見の話で恐縮だが、まずはこれに触れないわけにはいかない。

似顔絵を描いたら『ナニワ金融道』のキャラになりそうなパワーのある顔。ナマで見ると「あっ、コイツは低俗な人間だな」とひと目で分かるオーラ。

ハイセンスなネタを書く人間はなんとなくそれっぽい雰囲気を漂わせるものだが、森田にはそれがまったくない。そこがいい。

見た目のイメージの通り、ゴシップが大好きだというのが素晴らしい。ゴシップをテーマにしたコラムを連載しているほどのゴシップ野郎。それが森田だ。

ここまで悪口しか書いていない感じがするが、顔ににじみ出るほどのゴシップ好きなゲスさこそが森田の持ち味であり、それこそが森田のつくるネタを唯一無二のものにしている。

バナナマンも認める巧みな設定

「おもしろいコント」にはいろいろなパターンがある。

なんでもない設定でもボケとツッコミの会話の力で笑わせるサンドウィッチマンのようなパターンもあるし、展開の妙で笑わせるアンジャッシュのようなパターンもある。何が何だか分からないけどインパクトで笑わせるにゃんこスターのパターンもある。

森田のつくるさらば青春の光のネタのおもしろさは、なんといっても設定の巧みさ。

例えばキングオブコント2017のファイナルステージで見せた「パワースポット」。審査員のバナナマンの2人はこのネタを絶賛し、設楽も日村もこの日の最高点をつけていた。

設楽「ものすごいイイ設定ですよね、これ。すごい…イイ設定だな〜と思って」

日村「おもしろい、正直ずっとおもしろい」
設楽「このネタほしいよね」
日村「ほしい!」

幸せをもたらすパワースポットの近くにずっと立っているのにうだつの上がらなそうな警備員。

「パワースポット」というオーソドックスなテーマを最高のコントの設定として昇華させたのは、森田のゲスい、底意地の悪い視点だ。

単独ライブ『真っ二つ』のネタに見る森田のイヤらしさ

単独ライブ『真っ二つ』(2018年)で披露されたコントも素晴らしかった。

  • 弟子を待ち望む伝統工芸の職人
  • 火事の現場で果敢に救助を行うヒーロー
  • 定食屋のオヤジからタダで食べさせてもらっている売れない芸人

題材だけ見ればただのイイ話で終わりそうなものも多い。それを「イイ話だね」で終わらせずに「もしその裏にこんなことがあったら…」とゲスい想像を働かせて秀逸なネタをつくりあげている。

以前、ロバート秋山の凄さは観察力・洞察力だと書いた。

森田の凄さは想像力だと思う。

「小学生の版画はおもしろい」と誰も気づかなかったことに着目できるのが秋山の才能ならば、「火事の現場で果敢に救助を行うヒーロー」というよくあるイイ話から「その裏にこんな動機があったら…」と想像できるのが森田の才能。

ただの噂話からあれこれと妄想をふくらませるゴシップ好きな性格が想像力を鍛えているのかもしれない。

上にリンクを貼った森田の連載のタイトル「煙だけでいい…… あとはオレが火を起こす!」はまさにそんな森田の能力・性格を表している。

どんなちっぽけな煙でも、そこから大きな炎を巻き起こすことができる男、それが森田なのだ。

『真っ二つ』のネタは本当にどれも素晴らしかったのでぜひDVDを見てみてほしい。

さらば青春の光 単独LIVE『真っ二つ』 [DVD]
ポニーキャニオン (2018-09-05)
売り上げランキング: 1,434

キングオブコント2018

さらば青春の光は2018年のキングオブコントがラストだと語っている。

──凱旋公演のあとには「キングオブコント2018」が控えていて、お二人は今年がラストイヤーだと宣言しています。
森田 誓約書にサインしたわけではないですからなんとでもなります(笑)。まあでも、ラストじゃないですか。いつまでもそこに縛られていてもしょうがないので。
さらば青春の光が語る確かな手応えと目指す次のステージ、DVD「真っ二つ」インタビュー&瓦割りフォトギャラリー - お笑いナタリー 特集・インタビュー

この文章はキングオブコント2018決勝の前に書いている(2018年9月19日)。そもそも決勝進出者も発表されていないので、さらば青春の光が決勝に出るのかも分からない(それっぽいシルエットはあったけど)。

キングオブコントの称号がなくても単独ライブをきっちり埋めているさらば青春の光ではあるが、まだまだその才能は知れ渡っていない。

誰もが認める王者になって、もっと注目されてほしいと思う。

(2018年10月20日追記)
キングオブコント2018、さらば青春の光は1stステージで4位に終わりFinalステージに進めず敗退した。1stステージ3位だったハナコとは1点差。惜しかった。

暫定ボックスでの敗退コメントで、Finalステージでやる予定だったネタの衣装をちらっと見せた森田と東ブクロ。その衣装は『ヒーロー』のものだった。

もしFinalステージが例年通り5組であれば、『ヒーロー』を披露してハナコといい勝負をしていただろう。どっちが勝ったかは分からないが採点結果を見てみたかった。

Finalステージでやる予定だったネタ『ヒーロー』

『ヒーロー』のフル尺バージョンがYouTubeの「さらば青春の光Official Youtube Channel」で公開された。

(おまけ)本当はヤバい男、東ブクロ

森田のことばかり書いてきたが、相方である東ブクロ(東口宜隆)もただものではない。

そもそもAbemaTVのフジモンの番組で改名させられた「東ブクロ」という名前を(しれっと戻してもいいのに)律儀に使い続けている時点でただものではない。

コントでの演技もうまいし見た目はシュッとした男前な東ブクロだが、バイきんぐ西村のような底知れないヤバさがある。『デルタホース』ではすでにさんざんいじられていたが、この先、さらば青春の光がもっと売れたとき、手練の芸人たちにいじられる東ブクロが楽しみでしょうがない。

こちらもどうぞ
スポンサーリンク
関連カテゴリー
関連コンテンツ
関連記事
post image

にゃんこスター・アンゴラ村長の暇アフタヌーン時代のネタを観た

post image

Amazonプライムで振り返るM-1グランプリの歴代名作漫才

post image

キングオブコント2017の審査に見る、現役コント師たちの本音

post image

オードリー・春日俊彰の公開プロポーズはなぜ感動的だったのか

post image

朝日奈央がカメラ目線で歌う『MAMORE!!!』が面白い。惚れた。

post image

ハリウッドザコシショウって、ザ・小師匠、雑魚師匠、どっち?

post image

小松純也と高須光聖が松本人志に訊く「ドキュメンタルとは?」

post image

天才、ロバート秋山竜次の凄さは演技力ではなく観察力にある