ダウンタウン・アニメデモミー賞は思い出し笑いするぐらいの傑作
忘れられないアニメデモミー賞
小松純也の手がけた番組を見ていて、書きたくなったテレビ番組がある。「ダウンタウンの今夜は150分アニメデモミー賞」だ。ちなみに小松純也はディレクター。
1997年、フジテレビの本社がが新宿の河田町からお台場に移転した際に7日間に渡り生放送された特番「ザッツお台場エンターテイメント!」。歌番組やドラマ、バラエティなどをテーマに明石家さんまやSMAPなどそうそうたるメンバーが司会を務めた。
1997年3月10日にフジテレビが本社を開局以来38年間拠点にしてきた新宿区河田町から港区台場へ移転したのに伴い、河田町本社から放送してきた番組を7日間、各テーマに分けて一挙に紹介する特別番組を生放送。フジテレビの開局から移転までの約38年間の名物番組を振り返るとともに、新しい歴史の幕開けにふさわしい番組となった
ザッツお台場エンターテイメント! - Wikipedia
第2夜はアニメ特集の「アニメデモミー賞」。司会はなぜか特にアニメに思い入れもなさそうなダウンタウンだった。
他の日の内容はまったく覚えてないけど、この「アニメデモミー賞」のことは今でも強烈に覚えている。単純にあまりにも面白かったからだ。
どういう経緯でダウンタウンがアニメを担当することになったかは分からないが、テーマが何であれおもしろい番組を作ってやる、というダウンタウンとスタッフの心意気が感じられた。
ホントのアニメファンからは「バカにするな!」と怒られるかもしれないけど。
重箱の隅をつついたチョイスが秀逸
アニメ特集といいながら、よくある名場面や感動シーンの紹介はまったくない。
アニメデモミー賞と題し、いくつかの部門(ドッキリ賞(キャラクターが悪戯などで脅かす)、ニヒル賞、なにわ賞(関西人のキャラクター)、ラブラブ賞など)にノミネートされたアニメのシーンの中からダウンタウンが受賞作品を決めていった。よくある感動的なシーンを集めたものではなくアニメでしかありえないシーンや面白おかしいシーンばかりを集めて放送した。
ザッツお台場エンターテイメント! - Wikipedia
このアニメデモミー賞のノミネートのチョイスがおもしろすぎた。
例: 最優秀やりすぎ賞
ワードが印象的な最優秀やりすぎ賞のノミネートを紹介したい。雰囲気だけでも感じてほしい。
- フレンダー変化しすぎ (新造人間キャシャーン)
- 番長デカすぎ (国松さまのお通りだい)
- 山田ムチャしすぎ (ドカベン)
- 海 荒れすぎ (忍風カムイ外伝)
- ヤギはしゃぎすぎ (アルプスの少女ハイジ)
- おじいさんと言いすぎ (マジンガーZ)
どうだろうか。なんとなく番組のノリを感じていただけただろうか。
ちなみに、驚くべきなのは一切誇張がないこと。映像を見ると、本当にヤギはしゃぎすぎだし、おじいさんと言いすぎ。「これは確かにヤギはしゃぎすぎだな」と納得させられる。
今でもハイジを見ると、はしゃぎすぎのヤギを思い出す。
ダウンタウンとスタッフの力が合わさった傑作
この傑作番組は、どうやって生まれたのか。
まずノミネートのチョイスが面白い。これは小松純也をはじめとするスタッフの力だろう。
そして松ちゃんのコメントも浜ちゃんのツッコミも冴え渡っていた。生放送なのに最初から最後まで一度も外さずウケまくっていた。自分がダウンタウン世代だから、ひいき目で見ているだけなのかもしれないけど、やっぱりダウンタウンおもしれえなあ、と思ってしまう。
スタッフとダウンタウンとの信頼関係も垣間見えた。浜ちゃんが「小松ー!」と叫んだり。
もしスタッフが用意する素材がダメだったら、もしダウンタウンが大したイジりをできなかったら、きっとこんなにおもしろい番組にはなっていなかっただろう。テレビ番組に限らず、演者と裏方の力がバッチリ噛み合うと良いものができるんだな、と思わせてくれる番組だった。
アニメの映像をふんだんに使ってるから、ソフト化は難しいだろうし、再放送もたぶんないだろう。…けど気になった人はなんとかして見てみてほしい。きっと期待を裏切らないと思う。
「アニメデモミー賞」で検索してみて。