Four Tetライブ@恵比寿LIQUIDROOM感想〜緻密で繊細で獰猛
恵比寿リキッドルームで2018年4月27日に行われたFour Tetの来日ライブに行ってきた。
Four Tet(Kieran Hebden)という男
Four Tet(フォー・テット)はKieran Hebden(キーラン・ヘブデン)のソロプロジェクト。
母親が南アフリカ系インド人ということで、インド色の強い見た目。
2001年のシングル『No More Mosquitoes』のジャケ写のFour Tet先生。
今もあんまり変わらない。
.@FourTet is playing two dates at @villunderlondon next feb, get involved 👀https://t.co/hmQGr6ecFq pic.twitter.com/F3DcO2Z4h7
— DICE (@dicefm) 2017年10月18日
アスキーアートを愛することでも知られている。
私はASCIアートボットと恋にだと思う
— Four Tet (@FourTet) 2013年8月15日
Four Tetの魅力
Four Tetの魅力はなんといっても緻密なビートと繊細なウワモノ。
細かく刻まれる緻密なビートの気持ちよさと、音色もメロディも美しい繊細なウワモノの気持ちよさの合わせ技にはひれ伏すしかない。
最新アルバム『New Energy』から"Two Thousand and Seventeen"。
"SW9 9SL"。
『New Energy』は昔のFour Tetに回帰した感じで目新しさこそないものの、美しい音に浸れる名盤だと思う。
SoundCloudには他にも音源がアップされてる。
どの曲も一聴して分かるFour Tet感があるのがすごい。
「Beat This」という企画で制作風景が撮影された動画がある。PC(MacじゃなくてWindows)を猫背で操るFour Tet先生の手によって、マイケル・ジャクソンの『Thriller』からサンプリングされた音がどんどんFour Tetの音になっていく様子がおもしろい。
ステージと機材
今回のライブはフロアの中央にステージが組まれそのまわりを観客が取り囲むスタイル。スピーカーもステージの四方に配置されているサラウンド・システム。
ステージといってもラップトップPCが2台とパッドやエフェクターなどの機材が並べられているだけ。
本人のTwitterにアップされている動画で紹介されているのと同じ。
— Four Tet (@FourTet) 2018年2月16日
LEDが吊るされたセットの写真↓を見ていたので期待していたけど、今回は無かった。
Thanks to everyone who came and enjoyed the first run of shows in Manchester, Glasgow and London. I loved playing in the surround sound. The London shows also featured a lighting installation by @squidsoup so respect to them for their amazing work. pic.twitter.com/vz62zdsfn8
— Four Tet (@FourTet) 2018年2月23日
機材の手元を照らす明かりがあるだけで他の照明は一切なし。演出と呼べるような演出もなし。音のほかは何もなし。
結果的にこれがよかった。
緻密で繊細で獰猛な音像に陶酔
予定時刻の20:30を少し過ぎたあたりでFour Tetが登場。中央のステージまで観客の中をゆっくり歩いていく。焦らされてる感じ。
ウォーミングアップ的なシンセを鳴らしてから、低く重厚なキックの音が響いた瞬間、一気に盛り上がる。
サラウンドのスピーカーは特別音が良いというわけではなかったけど、全身に音を浴びせられる感覚。特に低音は空気の振動が四方八方からダイレクトに伝わる。
この全身で感じる低音が今回のライブのキモ。Four Tetの魅力である緻密さと繊細さに獰猛さが加わった感じ。余計な照明がないぶん、よりプリミティブな音が味わえた。
セットリストは『New Energy』の曲が中心。
2時間近く。本当にあっという間だった。
終演後、観客の中を通って帰っていく途中も笑顔で握手に応じたり、Four Tet先生がナイスガイだったのもよかった。
また観たい。