にゃんこスター・アンゴラ村長の暇アフタヌーン時代のネタを観た
彗星のごとく現れた、にゃんこスター
キングオブコント2017を制したのは、かまいたちだった。
個人的にはさらば青春の光のネタが好きだったので多少残念な気持ちもあったが、かまいたちのネタも二本とも面白く、納得の優勝だった。結果としては異論の少ない順位だったのではないだろうか。かまいたち山内の静かなる狂気を帯びた目つきを東京でもいろんな番組で見られるかと思うと楽しみだ。
で、かまいたちの優勝はさておき、今大会最大のトピックはにゃんこスターの登場だろう。
去年のM-1のカミナリを観たときも思ったことだが、やっぱり見たいのは新たなるスター誕生の瞬間なのだ。
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お笑いライブシーンを追っている人達からすれば、「前から知ってたよ、ようやくテレビが追いついたか」ぐらいの感想なのかもしれないけど、ごく一部にしか知られていなかった存在がマスに放たれるときの輝きほど観ていてワクワクするものはない。
アンゴラ村長は何者なのか
にゃんこスターである。
そこそこ歳をとっていそうなスーパー3助は、たぶん前までは他の人とコンビを組んでたんだろうな、というような想像がつくが、気になるのは地下アイドルみたいな絶妙な可愛さのアンゴラ村長だ。どこからやってきたのかよく分からない。
ネタの流れを作っていたのはスーパー3助だった。あの高いテンションで状況説明をしながらツッコミを入れつつ話を進めていく。実はかなりのスキルの持ち主なんじゃないかと思う。積み重ねた経験が感じられた。
それに対して、アンゴラ村長の役割は縄跳びとフラフープ。細かい動きや表情は素晴らしかったけど、芸人としてどれほどの力量を持っているのかが、今回のキングオブコントを観ただけだと分からなかった。
スーパー3助がどっかから縄跳びのうまいただの女の子を連れてきただけだったら面白いのにな、と思って調べてみたら、アンゴラ村長も前は「暇アフタヌーン」という名前の別のコンビを組んでいた生粋の芸人さんだった。
Wikipediaに本名から出身大学、勤務している会社まで書いてあった。検索したら2秒で分かった。「なんなんだコイツは」と思ってもちょっと検索したらいろいろ分かってしまうのは、便利である反面さみしい気もするな…。
- アンゴラ村長(あんごらそんちょう、 1994年5月17日(23歳) - )立ち位置は主に右でボケ担当。
- 本名:佐藤 歩実(さとう あゆみ)
- 埼玉県出身。血液型B型。身長150cm。
- 早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学文学部卒業。大学では映画と演劇を勉強。早稲田大学お笑い工房LUDO出身。
- ワタナベコメディスクール20期生。2016年9月までは暇アフタヌーンというコンビでワタナベエンターテインメントに所属。
- アンゴラ村長としてピンで活動するほか、デンジャーD(元セクシーチョコレート)とのコンビ「ピ炭酸」、「ピンク×ネイチャー」としても活動していた。
- 2017年4月からインターネットマーケティング会社の「株式会社これから」に新卒採用で入社。社員として勤務しながら兼業芸人として活動している。
- 特技は縄跳びと工作。 にゃんこスター - Wikipedia
縄跳びだけじゃなく工作も得意だったとは!
伝説の縄跳びとかフラフープの神様はもしかするとアンゴラ村長の手によるものだったのだろうか。
暇アフタヌーン時代のアンゴラ村長のネタ
アンゴラ村長が前に組んでいたコンビの名前「暇アフタヌーン」で検索してみたら、当時のネタの動画も出てきた。ホントにもうなんでも分かっちゃう時代だな!
けっこう普通。おもしろいけど、爆発力はない感じ。
自分で検索して自分で観ておいてなんだが、下積み時代(と言っていいのか分からないけど)を知ってしまうと、にゃんこスター・アンゴラ村長の異質さ・得体のしれなさが失われたような気がしてしまった。勝手に観て勝手にガッカリすんなよ、っていう話だけど。
これだけいろんなものがWeb上に溢れシェアされる時代では、本当に誰も知らなかった存在が一夜にしてスターになるなんてことはもう起こらないのかもしれない。ちょっと調べれば昔の動画も見れてしまうし、Twitterの昔のつぶやきも読めてしまう。
突如として誰も知らない新星が現れるなんてことは、きっともうないのだろう。
アンゴラ村長の暇アフタヌーン時代のネタを観てそんなことを思った。
余談
にゃんこスター関連の記事をいろいろ見てて面白かったのが、アンゴラ村長が勤める「株式会社これから」のブログ記事。
タイトルがすごい。
「弊社社員がキングオブコントで準優勝しました!!」である。事実を書いてるだけなのに、なんなんだろうか、このインパクトは。
「弊社社員」「キングオブコント」「準優勝」。
「弊社社員」が「準優勝」するだけでもすごいのに、なにで準優勝したかといえば「キングオブコント」である。本来出会うはずのなかった単語が結ばれている。それもこれも、にゃんこスターのおかげだ。にゃんこスターがいなければ、この世に存在しなかった文章だろう。
この記事の「暇アフタヌーン時代のアンゴラ村長」もそれだけ読んだらなんのこっちゃワケがわからない。これもアンゴラ村長のおかげで生まれた文章ですね。
ありがとう、にゃんこスター。ありがとう、アンゴラ村長。