outoutput

野性爆弾くっきー「激似顔マネ(白塗りモノマネ)」という発明

君は世界三大川島を知っているだろうか。

  • 川島省吾(劇団ひとり)
  • 川島邦裕(野性爆弾・くっきー)
  • 川島明(麒麟)

である。

…という出だしだけ書いて放置していたら『ゴッドタン』で三人の川島をフィーチャーした「川島スリー」なる企画が放送されることを知った。この三人を集めてくれる『ゴッドタン』はやっぱりすばらしい番組だ。

さて、川島省吾(劇団ひとり)については以前書いた。

今回は__野性爆弾くっきー__こと__川島邦裕__について。

書きたいことは色々あるが、ジャスティン・ティンバーレイク「Supplies」のMVに出てくる白塗りの人たちを見てたら、ふと「くっきーの白塗りモノマネは発明だな」と思ったので、それについて書こう。

スポンサーリンク

鬼才、川島邦裕(野性爆弾・くっきー)

異様な風貌

野性爆弾のくっきー、肉糞亭スポーツ、肉糞太郎こと川島邦裕は、見た目が恐ろしい。体つきもゴツく、威圧感がある。

前から歩いてきたら絶対に目を合わせたくないタイプの人間であり、間違って目が合ってしまったらとりあえず「ごめんなさい」と謝ってしまいたくなるタイプの人間だ。

「ルミネtheよしもと」で一度ネタを観たことがあるが、生で見ると想像以上に迫力満点。

皆さんもぜひ劇場に足を運んで体感してみていただきたい。ちなみにライブでも入れ墨はちゃんとテーピングで隠していた。

芸人から愛される芸人

そんなコワモテ芸人くっきーは芸人から愛される芸人でもある。

Amazonプライム・ビデオで公開されている『野性爆弾のザ・ワールド チャネリング』。

その冒頭で芸人たちが野性爆弾について語っている。少し引用しよう。

宮川大輔「くぅは天才ですね」
ケンドーコバヤシ「くっきーは天才でしょうね」
小藪一豊「音楽とか絵とか、本当センスの塊ですね」

小藪一豊がサミー・ソーサのバッティングに例えていたのが素晴らしかった。

昔、サミー・ソーサがホームランいっぱい打ったときにテレビで解説者が言うてたんですけど、構えこんなんやと(※むちゃくちゃな構え)。

でもインパクトの瞬間は誰よりも基礎通り。

くっきーも同じ。

型にハマってないむちゃくちゃなボケと見せかけて、実は基本をしっかり抑えている。どんな分野でも言われているように、型を知っている人間にしか型を破ることはできない。

多彩な才能

小藪のコメントの通り、くっきーは音楽や絵などのセンスにも溢れている。

武闘派っぽい見た目からは想像できない器用さもくっきーの魅力。

音楽

ネタで使う音楽やSE(効果音)もくっきー自ら手がけたもの。

ギターやベースなど楽器も堪能。

小籔千豊、中嶋イッキュウ(tricot)、新垣隆、川谷絵音(ゲスの極み乙女。)と組んだバンド「ジェニーハイ」でそのギターの腕前を披露している。

たびたび登場する指文字や似顔絵など、独特なタッチの絵もうまい。

個展『超くっきーランド』も開催された。

好きな小ネタ: 漢字の読み方

自分が好きなくっきーの小ネタを紹介したい。

ルート33・堂土の目の下のダルダル部分の輪切りや雅漬け(トミーズ雅の目と脳と脊髄のホルマリン漬け)など、奇っ怪な小道具ネタも捨てがたいが、一番はコレ。

漢字の読み方。

  • 肩平 → キャタピラ
  • 告人 → コックピット
  • 小窓 → コマンドー
  • 自歩 → ジッポ
  • 邪人 → ジャビット
  • 人印 → ピットイン

小ネタ中の小ネタだけど、どれもイイ。センスを感じる。

上の4つ(肩平、告人 、小窓、自歩 )はトーク番組『祇園笑者』での天竺鼠・川原とのトークで登場。この『祇園笑者』の川島・川原回は傑作なのでいつか紹介したい。

「邪人」は『野性爆弾のザ・ワールド チャネリング』。これもそのうち書きたい。千鳥がゲストの回(第7回、第8回)は野性爆弾色は薄めだけどバラエティ番組として最高におもしろかった。

「人印」はテレビ東京『MASKMEN』から。『MASKMEN』は…あんまり書くことないな。

くっきーの激似顔マネ(白塗りモノマネ)はなぜ発明なのか

前置きが長くなってしまった。

今回のメインテーマは「激似顔マネ(白塗りモノマネ)」。

こういうの。

本も出ている。

野性爆弾くっきーの[激似顔マネ]図鑑
野性爆弾くっきー
扶桑社 (2016-11-02)
売り上げランキング: 26,467

この激似顔マネ(白塗りモノマネ)は発明だと思う。

過去の斬新なモノマネ

HEY!たくちゃんのアゴモノマネ

斬新なモノマネといえば思い出すのが、HEY!たくちゃんのアゴモノマネ。

アゴの部分だけまねをするという一種の禁じ手。

「顔の半分以上似顔絵なんだからそりゃそっくりになるだろう」と思うかもしれないが、ちゃんと口元は変えているし声は普通にモノマネとしてうまい。

ロバート秋山の体モノマネ

HEY!たくちゃんのアゴモノマネをさらに突き詰めたのがロバート秋山の体モノマネ。

顔はすべて似顔絵で、モノマネするのは体。

厳密には別にモノマネしているわけではなく、秋山の特徴的な体つきに似ている人をチョイスしている。

秋山がHEY!たくちゃんのネタを参考にしたかどうかは分からないが「体のどこか一部をものまねする」という意味では体モノマネはアゴモノマネに連なる系譜と考えていいだろう。

当初はお面を使っていたが最近はTシャツを使うことが多い。

このTシャツは公式に販売されている。

1万枚以上売れてるそうです。

余談だが、ロバート秋山もやっぱりすごい。最近ではナイロンDJに感動した。

モノマネではなく似顔絵

そして、くっきーの激似顔マネ(白塗りモノマネ)。

これは顔マネ(モノマネ)というよりも似顔絵に近い。

HEY!たくちゃんや秋山のように一部を隠しているのではなく、白塗りにして一旦すべてをゼロにしたうえで、絵がうまいくっきーが自分の顔をキャンバスにして似顔絵を描いている。

この発想がすごい。まさにコロンブスの卵。

ピエロや歌舞伎の例を出すまでもなく、白塗りというのはありふれた手法だ。白塗りメイクを施すことで自分を消すことができる。

そこに特定の誰かの似顔絵を描いてその人になりきる(=ものまねする)という発想。

言われてみれば当たり前だし、なんでこれまで誰もやっていないのかが不思議くらいだ。(もしかしたら自分が知らないだけでこういうことをやってた人はいるのかな?)

もちろん、ただメイクしているだけでなく、目や口の形をモノマネ相手に合わせるテクニックや小道具のチョイスも素晴らしいのだが、何よりも最初の発想が素晴らしいと思う。

ちなみに、この激似顔マネ(白塗りモノマネ)、くっきーの顔の大きさがネックになるかと思っていたが、ドキュメンタルシーズン4で白塗りの周りの部分を落として小顔になっていた。

もはや輪郭も自由自在。多分誰のモノマネでも出来る。

発明(はつめい、英: invention)とは、従来みられなかった新規な物や方法を考え出すことである。作られた新規なもの自体を指すこともあり、新規なものを作る行為自体をさすこともある。
発明 - Wikipedia

くっきーの激似顔マネ(白塗りモノマネ)は、自分の顔をキャンバスにして似顔絵を描くというコロンブスの卵的発想の上に成り立っている新たな手法であり、発明なのだ。

Instagramで堪能する激似顔マネ

くっきーはInstagramに「#激似顔マネ」というハッシュタグを付けて顔マネ画像を投稿している。

小藪一豊もそうだが、時代を代表するツールを使っていても時代に媚びているように見えないのがすごい。「流行っているのでインスタやってみました」という凡百の芸人たちとの違いが垣間見える。

個人的お気に入りをいくつか。

柴田理恵

有田哲平(くりぃむしちゅー)

木村祐一

振分親方(元・高見盛)

TOSHI(X JAPAN)

米良美一

野性爆弾くっきーの激似顔マネ図鑑

本もどうぞ。

計100人。芸能人・有名人以外も収録されている。

野性爆弾くっきーの[激似顔マネ]図鑑
野性爆弾くっきー
扶桑社 (2016-11-02)
売り上げランキング: 26,467
こちらもどうぞ
スポンサーリンク
関連カテゴリー
関連コンテンツ
関連記事
post image

2018年ブレイクする芸人はハライチ・岩井勇気だと俺は思う

post image

ジャルジャルがM-1グランプリ2017のネタで見せた輝きと課題

post image

『ルミネtheよしもと』で人気芸人のネタを生で見て感動した

post image

ゴッドタン演出・佐久間宣行『できないことはやりません』感想

post image

オードリー・春日俊彰の公開プロポーズはなぜ感動的だったのか

post image

M-1グランプリ2020のマヂカルラブリーのネタは漫才である

post image

水曜日のダウンタウン(2017-10-11)に俺ギャラクシー賞を贈りたい

post image

東野幸治と西野亮廣の真剣勝負に震えるAbemaTV『エゴサーチTV』#41