細かすぎて伝わらない、自分だけが好きなあの曲のあの瞬間
音楽を聴いていて、「ああ、この曲のこの瞬間が最高に好きだ!」と思う瞬間はありませんか?
私はあります。ええ、あるんです。
人にアツく語っても半分くらいしか同意してもらえない、個人的な「好き好きモーメント」をまとめて紹介しよう。
YouTubeの動画は好き好きモーメントのちょっと前から再生が始まるようになっている。気に入ったらぜひ最初から聴いてみていただきたい。
- Arctic Monkeys「When The Sun Goes Down」の"likely"
- Oasis「Slide Away」の"Oh"
- Weezer「Say It Ain't So」の"Yeah"
- Ed Sheeran「Nina」の"Stevie Wonder"
- Lana Del Rey「this is what makes us girl」の"mascara"
- Chet Faker「Cigarettes & Loneliness」の"tongue"
- A Tribe Called Quest「Scenario」の"Oh my gosh!"
- Kendrick Lamar「King Kunta」の"Annie are you ok?"
- Jurassic 5「What's Golden」のタメ
- Floating Points「King Bromeliad」のキメ
- Mura Masa & Charli XCX「1 Night」のブレイク
- さいごに
Arctic Monkeys「When The Sun Goes Down」の"likely"
トップバッターはArctic Monkeys。
鮮烈なデビュー・アルバム『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』の名曲「 When The Sun Goes Down」。「more than likely」の「likely」の部分(1:39)がたまらない。
まだ若かりし頃のアレックス・ターナー先生の「L」の発音がクセになる。
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Oasis「Slide Away」の"Oh"
続いてはOasis。
永遠の輝きを放つデビュー・アルバム『Definitely Maybe』から、こちらも名曲「Slide Away」。
大サビの途中、「To do what we've done」と「Let me be the one」の間の「Oh」(3:48)が私の心を震わせる。何度でも聴いていたい。
ボーカリストあるいはシンガーにとって一番重要なのは結局のところ声の質だ。控えめに言ってもこの頃のリアムの声は最高です。
Weezer「Say It Ain't So」の"Yeah"
Weezerの『Weezer (The Blue Album)』から「Say It Ain't So」。これもデビュー・アルバム。
この曲の好き好きモーメントは、大サビの前、ブリッジの終わりでリヴァースが叫ぶ「Yeah」(3:13)。正確に書くと「Yeah, yeah-yeah, yeah-yeah」。
このあとのギターソロも好き。
Oasisの「Oh」の次はWeezerの「Yeah」。我ながらアホっぽい。ただ単にエモーショナルに叫んでいるのが好きなだけなのかもしれない。
- 関連記事: 愛しさと切なさと心強さとWeezer
Ed Sheeran「Nina」の"Stevie Wonder"
Taylor Swift、N.E.R.D、Eminemと大物と次から次にコラボするEd Sheeran。
セカンド・アルバム『x (multiply)』の5曲目「Nina」のAメロ、「Stevie Wonder」(0:20)がツボだ。
「I wonder」と「Stevie Wonder」という、思いついても誰もやらない韻を堂々と踏むエド・シーラン先生が最高。皮肉じゃないです。
この人のメロディーに歌詞(言葉)を当てはめる才能はすごいと思う。
Lana Del Rey「this is what makes us girl」の"mascara"
Lana Del Reyのセカンド・アルバム『Born to Die』から「this is what makes us girl」。
「While she starts to cry, mascara runnin' down her little Bambi eyes」というBメロの一節、「mascara」(0:46)。あえてカタカナで書くと「マスキャラ」。前後の単語と流れるように滑らかにつながる「マスキャラ」。
見るからに気の強そうな美人、ラナデル先生の口から飛び出す「マスキャラ」にはひれ伏すしかない。
サビも素敵です。
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Chet Faker「Cigarettes & Loneliness」の"tongue"
オーストラリアからの刺客、Chet Faker。最近は本名のNick Murphyとして活動している。
デビュー・アルバム『Built on Glass』に収録されている名曲が「Cigarettes & Loneliness」だ。
サビの「Love, what've you done with my tongue?」、とくに「tongue」(2:47)が最高。サビに至るまでも最高。ぜんぶ最高。
7分を超える長尺に2回しか登場しないサビ。焦らしに焦らされたあとの「tongue」には聴く者すべてを昇天させる魅力がある。
上の動画はサビから始まるようになってるけど、気に入ったらぜひとも最初から最後まで聴いてみてほしい。
A Tribe Called Quest「Scenario」の"Oh my gosh!"
A Tribe Called Questのセカンド・アルバム『The Low End Theory』のラスト・ナンバー「Scenario」。PUNPEEのアルバム『MODERN TIMES』でも引用されている名曲だ。
客演として参加しているBusta Rhymesのバースで2回繰り返される「Oh my gosh!」(3:22)がついつい真似したくなる名フレーズ。日常生活に取り入れたい。
有名なフレーズだし、そんなに細かくもないな。
ちなみにこのアルバム『The Low End Theory』のジャケットは最高にかっこいいと思う。
Kendrick Lamar「King Kunta」の"Annie are you ok?"
ヒップホップつながりでKendrick Lamar。サード・アルバム『To Pimp a Butterfly』の「King Kunta」。
最初から最後まで独特のポップさと緊張感が同居する不思議な曲だが、最も耳に残ったのは「Annie, are you okay?」(2:34)。Michael Jacksonの「Smooth criminal」からの引用だ。
Kendrick Lamarはラッパーとしてのスキルはもちろん、単純に声がいいと思う。好きだ。
Jurassic 5「What's Golden」のタメ
次もヒップホップ。Jurassic 5のサード・アルバム『Power in Numbers』の「What's Golden」。Jurassic 5の代表曲といってもいい名曲。
この曲の好き好きモーメントは全編に渡って繰り返し登場するトラックのタメ。例えば、イントロの終わりでZaakirが「Check it out now...」とつぶやき、本編のバースが始まる瞬間(0:25)。
よく聞くとスネアはそのままでキックとハイハットを止めてるだけ。それだけなのに最高に気持ちいい。引き算の美学を感じる。
ちなみに、Jurassic 5にはCut ChemistとNu-MarkというふたりのDJがいるが、この曲を手掛けたのはNu-Mark。
Floating Points「King Bromeliad」のキメ
タメの次はキメ。
曲を作ったりDJをしたりミュージシャンとして活動する傍らUCL(University College London)で神経科学の博士号を取得したという、常人にはちょっと理解できない天才、Floating Points(本名: Sam Shepherd)。
端正なビートがクセになるクオリティの高いトラックを連発するFloating Pointsだが、中でも個人的なお気に入りは「King Bromeliad」という曲。
ドラムが徐々に高まっていってパシーンとキマる瞬間(3:58)が最高。
Mura Masa & Charli XCX「1 Night」のブレイク
タメ、キメときたら最後はブレイク。
UKの若きプロデューサーMura Masaのデビュー・アルバム『Mura Masa』の一曲。Charli XCXと組み、シングルとしてもリリースされた「1 Night」だ。
「Do you wanna go?」という歌詞に続いて挿入されるブレイク(1:09)にメロメロ。一瞬無重力になる感じ。ゾッコンです。
映像を見てるとあんまり無音になった感じがしない。気のせいかな?
Mura Masaのデビュー・アルバムはすごく好きだったのに、各メディアが選ぶ2017年ベスト・アルバムみたいなやつに全然入ってなくて悲しかった。
来日公演のチケットが取れたので楽しみ。
さいごに
細かすぎて伝わらない部分を紹介するはずが、ただ好きな曲を脈絡なく羅列しただけになってしまった気がする。
まあいいか。