実は泣ける!エミネムの「娘に向けた名曲」おすすめ3選
アメリカ大統領選はドナルド・トランプの勝利で終わった。エミネムは敗北した。
エミネム、敗北
新曲「Campaign Speech」でトランプとその支持者をディスったエミネム。
2004年の大統領選では「Mosh」でアンチ・ブッシュを叫ぶもブッシュが当選した。そして、2016年、またもエミネムの願いは届かなかった。
こんなときこそ、エミネムの泣ける名曲を聴きたい。
過激な曲やコミカルな曲が注目されがちなエミネムだが、実は泣ける曲もいっぱいある。特に娘に向けた曲はどれもハズレ無し。泣けるんですよ。いやホントに。
子どもがいない自分が聴いても泣けるんだから、子どもがいる人が聴いたらもっと泣けるんじゃないだろうか。
エミネムとその娘ヘイリー、ウィットニー、レイニー
エミネムはキム(キンバリー・スコット)という学生時代からの交際相手と結婚・離婚を繰り返している。くっついたり離れたり。
1995年に、学生時代からの付き合いであったキンバリー・スコット(通称・キム)との間に、娘のヘイリー・ジェイドが生まれる、1999年に結婚したが、2001年に離婚。しかし、2004年の後半から再び交際が始まり、翌年に復縁。家族の他、50セントやD12、オービー・トライス、Gユニット、キッド・ロックなど、大勢の身内を招いて、2006年1月14日に再び挙式したが、同年4月5日に離婚申請を提出し、12月19日に両者の離婚が確定した。
エミネム - Wikipedia
キムとの間に生まれたのが、娘ヘイリー(ヘイリー・ジェイド・マザーズ)。エミネムは腕にヘイリーの顔のタトゥーを入れるほど娘を溺愛している。
実の娘はヘイリーだけだが、元妻キムの連れ子ウィットニー(ウィットニー・スコット・マザーズ)と姪アライーナ(アライーナ・マリエ・マザーズ、通称レイニー)の二人も養子縁組して育てている。
そんな娘たちに向けた泣ける名曲を紹介したい。
1. Hailie's Song
そのままズバリ「Hailie's Song」。ヘイリーズソング。ヘイリーの歌。
2002年発売の3rdアルバム「The Eminem Show」に収録されている。
Yo, I can't sing, but I feel like singing
俺は歌えないけど、歌いたい気分なんだI got my baby back
娘が帰ってきてくれたんだ
といって歌い始めるエミネム。ヘイリーの親権を取り戻したときの歌らしい。
サビの歌詞とメロディーがいい。
音楽業界での成功に疲れたエミネムが、娘と向き合っているときだけは重圧から解放されると歌い、娘が戻ってきてくれたことをただ喜んでいる。
‘Cause sometimes it feels like the world's on my shoulders
Everyone's leaning on me
‘Cause sometimes it feels like the world's almost over
But then she comes back to me世界が俺の両肩にのしかかっているような気がする
誰もが俺にもたれかかってる
世界が終わってしまうような気がする
でも 娘が帰ってきてくれたんだ
歌いたい気分と言っておきながら、途中からは妻であるキムへの怒りをラップ。
But I got a wife that's determined to make my life living hell
But I handle it well, given the circumstances I'm dealt俺の人生を生き地獄にしちまったようなヤツを妻にしたけど
そんな状況をなんとかうまくやってきた
最後はヘイリーに語りかけるようにして終わる。
Hailie, remember when I said
If you ever need anything, Daddy would be right there?
Guess what, Daddy's hereヘイリー、忘れないでほしい
もしお前が必要としてくれれば、パパはすぐそばにいる
パパはここにいるよ
巨大なスターであるエミネムの、娘へのシンプルな愛。泣けるわ。
2. Mockingbird
2004年発売の4thアルバム「Encore」に収録。モッキンバード。
物悲しいピアノのメロディをバックに、エミネムの静かなラップが続く。
この曲はビデオがいい。歌詞の通り、誰もいない部屋で実際のホームビデオや写真をメガネを掛けたエミネムが眺めている。
Now I'm sittin' in this empty house
Just reminiscing, looking at your baby picturesこの空になった家で、子供の頃の写真を見て昔を思い出している
金髪の子どもがヘイリーで、黒髪がキムの姪レイニー。
これまでの半生を振り返り、クリスマスの思い出やDr. Dreとの出会いをラップするエミネム。
キムが逮捕されたり失踪したりと、不安な状況がつづく子どもたちに「大丈夫だよ」と語りかけている。
Now hush, little baby, don't you cry
Everything's gonna be alrightおやすみベイビー 泣かないで
すべてはうまくいくから
「Hailie's Song」と同様、ここにいるのは大スター・エミネムではなく、ただのひとりの父親マーシャル・マザーズ(※エミネムの本名)。
3. When I'm Gone
最後は、2005年のベスト・アルバム「Curtain Call: The Hits」に収録された曲、「When I'm Gone」。
「The Eminem Show」、「Encore」ときてベスト・アルバム「Curtain Call」。エミネム第一期(第二期かな?)の最後を飾る曲といってもいいと思う。
この曲もビデオがすごい。ほとんど歌詞そのままが映像になっている。映画ファイト・クラブに登場するセラピー?みたいな集会で、自分の人生を語るエミネム。
音楽での成功の反面、家族と過ごす時間が短くなりうまくいかなくなっていく。仕事と家庭の両立というある意味普遍的なテーマ。エミネムほどの規模ではなくても、共感できる人は多いと思う。
サビの歌詞はまるで遺言のよう。
And when I'm gone, just carry on, don't mourn
Rejoice every time you hear the sound of my voice
Just know that I'm looking down on you smiling俺が逝ってしまっても 立ち止まらないで 悲しまないで
俺の声を聴いたら喜んでほしいな
覚えていてくれ 俺は笑ってるお前を見守っているよ
この頃のエミネムには、ホントにこのまま引退していなくなっちゃうんじゃないかという感じがあった。「俺がいなくなっても悲しまないで」というサビの歌詞はファンに向けたメッセージのようにも聴こえる。もうこれで最後なのかもしれないという切なさを感じさせる曲。
結局その後エミネムは復活したけど、今でもこの曲を聴くと切なく寂しい気持ちになる。
個人的な感情が強いほど泣ける
3曲ともものすごく個人的な出来事や感情を歌った曲だ。それなのに、いや、だからこそ泣ける。
ミスチル桜井さんの不倫ソング「Love is Blindness」もそうだけど、個人的な感情が強ければ強いほど、聴いてる方も感情を揺さぶられると思う。
個人的な感情を突き詰めていった先に共感がある。大仰にいえば、それを表現することが芸術なのかもしれない。
- 関連記事: 宇多田ヒカルにとって芸術とは何か?
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